危険な頭痛とは? 頭痛のレッドフラッグ

岐阜県多治見市の筋膜に特化した整体院「たじみ筋膜整体FLOW」の藤井祐輔です。

今回も前回に引き続き、「頭痛」について。

目次

はじめに

頭痛には「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。

前回のブログでは、代表的な一次性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)についてご紹介しました。

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一次性頭痛は、

「脳や血管に大きな異常がないのに、機能の乱れで起こる頭痛(機能的頭痛)」です。

これに対して二次性頭痛というのは、体のどこかに“はっきりした原因(病態)”があって起こる頭痛です。

このように二次性頭痛は、重大な病気が背景に隠れていることがあり、早期発見がとても重要です。

この「命に関わるような重篤な疾患を示唆するサインや症状」のことを"レッドフラッグ"と言います。

当院では、このレッドフラッグの有無を必ず念頭に置きながらカウンセリングと評価を行っております。

必要に応じて医療機関の受診を促しており、安全性を最優先した上で、適切な施術につなげることを大切にしています。


今回は頭痛ガイドライン2021を参考に、「頭痛のレッドフラッグ」を解説します。

頭痛のレッドフラッグ

以下に当てはまる場合、危険な頭痛の疑いがあります。

  • 50歳以降の初めての頭痛
  • 今までに経験したことのない頭痛
  • 人生最悪の頭痛
  • 頭痛以外にも普段はない症状がある
  • 姿勢によって変化する頭痛
  • 麻痺したりしゃべりにくくなる

詳しくみていきます:SNNOOP 10

上記の簡潔なレッドフラッグの根拠となる、医療現場で危険な頭痛を見分けるために使われる評価基準が「SNNOOP10」です。

それぞれの頭文字をとって、15項目に分けたレッドフラッグです。

余談ですが…
『SNNOOP10』は15項目なのに何で“10”なんだ?って疑問でした。

よく考えたら、頭文字が「P」の項目が10個あるから最後に「10」と付くんですね笑

SNNOOP 10
  • Systemic symptoms including fever:発熱を含む全身症状
  • Neoplasm in history:新生物(悪性腫瘍)の既往
  • Neurologic deficit or dysfunction:神経脱落症状・機能不全
  • Onset of headache is sudden or abrupt:急または突然発症する頭痛
  • Older age after 50 years:高齢(50歳以降)で初発の頭痛
  • Pattern change or recent onset:頭痛パターンの変化・新しい頭痛
  • Positional headache:姿勢で変化する頭痛
  • Precipitated by sneezing, coughing, or exercise:くしゃみ・咳・運動で誘発される頭痛
  • Papilledema:乳頭浮腫
  • Progressive headache and atypical presentations:進行性の頭痛・非典型的症状
  • Pregnancy or puerperium:妊娠中・産褥期に起きる頭痛
  • Painful eye with autonomic features:自律神経症状を伴う眼痛
  • Posttraumatic onset:外傷後に発症した頭痛
  • Pathology of the immune system such as HIV:免疫系病態(HIVなど)
  • Painkiller overuse or new drug:鎮痛薬の使いすぎ・新規薬剤による頭痛

1.発熱を含む全身症状【S】
Systemic symptoms including fever

風邪でも発熱は起きますが、
・項部硬直(首が動かしづらい)
・意識がぼんやりする
などが同時にある場合、髄膜炎や脳炎など危険な病気の可能性があります。
早期検査が重要なサインです。

2.新生物(悪性腫瘍)の既往【N】
Neoplasm in history

悪性腫瘍の既往がある方は脳転移の可能性も考慮します。
頭痛に加えて
・嘔吐
・めまい
・ふらつき
がある場合は、MRI等の精密検査が必要になります。

3.神経脱落症状・機能不全【N】
Neurologic deficit or dysfunction

・手足のしびれや麻痺
・ろれつが回らない
・意識レベル低下
といった症状がある場合、脳卒中や神経の障害が原因の頭痛が疑われます。

軽い頭痛でも半身の脱力があるときは緊急性が高いケースです。

4.急または突然発症する頭痛【O】
Onset of headache is sudden or abrupt


1分以内にピークに達する激しい頭痛(雷鳴頭痛)は、くも膜下出血などの脳血管疾患の典型です。
「突然ガツンと来た」痛みは救急受診のサインです。

5.高齢(50歳以降)で初発の頭痛【O】
Older age after 50 years

50歳を過ぎて初めて頭痛が出てきた場合、二次性頭痛の頻度が高まります。
高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある方は特に注意が必要です。

6.頭痛パターンの変化・新しい頭痛【P】
Pattern change or recent onset

これまでの頭痛と
・痛みの出方
・持続時間
・頻度
が明らかに違う場合は、新たな病気が隠れている可能性があります。

7.姿勢で変化する頭痛【P】
Positional headache

横になると痛くなる、起き上がると軽くなるといった姿勢で変化する頭痛は、脳脊髄液減少症などが疑われます。

8.くしゃみ・咳・運動で誘発される頭痛【P】
Precipitated by sneezing, coughing, or exercise

くしゃみ、咳、運動、いきむ動作で強くなる頭痛は、後頭蓋窩(小脳や脳幹周辺)の異常などが原因のことがあります。

9.乳頭浮腫【P】
Papilledema

視神経が腫れる状態で、眼科的な検査(眼底検査)が必要です。
頭蓋内圧亢進が背景にあることが多く、視力低下や嘔吐を伴うこともあります。

10.進行性の頭痛・非典型的症状【P】
Progressive headache and atypical presentations

痛みが徐々に強くなる、症状が広がる、普段と明らかに違うタイプの頭痛は二次性の可能性が高くなります。

11.妊娠中・産褥期に起きる頭痛【P】
Pregnancy or puerperium

妊娠・出産では、
・血液凝固能の変化
・ホルモン変動
・硬膜外麻酔
などの影響で二次性頭痛のリスクが高まります。

12.自律神経症状を伴う眼痛【P】
Painful eye with autonomic features

涙が出る、眼が赤くなるなどを伴う頭痛は群発頭痛の特徴ですが、緑内障など眼科疾患との鑑別が必要です。

13.外傷後に発症した頭痛【P】
Posttraumatic onset

頭部外傷後の頭痛は、脳挫傷や出血の可能性があります。
高齢者では数週間〜数ヶ月後に慢性硬膜下血腫を発症するケースもあります。

14.免疫系病態(HIVなど)【P】
Pathology of the immune system such as HIV

免疫低下状態は感染症のリスクが高く、普段とは違う頭痛でも重症化しやすいため注意が必要です。

15.鎮痛薬の使いすぎ・新規薬剤による頭痛【P】
Painkiller overuse or new drug

痛み止めの使いすぎによる薬物乱用頭痛や、新しい薬の副作用で頭痛が悪化することがあります。

まとめ


レッドフラッグは、二次性頭痛を早期に発見するための非常に重要なチェックリストです。


当院でも、レッドフラッグに一つでも当てはまる場合は、医療機関への相談をおすすめしています。


頭痛は身近な症状ですが、時に重大な病気を知らせるメッセージでもあります。

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