むくみ・冷え・代謝低下が続くのはなぜか-皮膚から内臓まで、体を覆う「膜」という視点から考える

むくみ・冷え・代謝低下、病院で検査をしても「異常なし」と言われたことはありませんか?

「夕方になると足がむくんで靴がきつい」

「手足が冷えて、夏でも靴下が手放せない」

「以前より代謝が落ちた気がして、同じ生活をしていても体が重い」

このような不調を抱えて病院を受診しても、血液検査や画像検査で「特に異常はありません」と言われてしまうことは少なくありませんよね。

検査で異常が出ないからといって、不調そのものがなくなるわけではなく、原因がわからないまま長く付き合っているという方も多いのではないでしょうか。

こうした、むくみ・冷え・代謝低下という不調には、実は皮膚の下にある「浅筋膜」という組織が関わっている可能性があります。

目次

浅筋膜は、皮膚のすぐ下、脂肪組織の中に薄く広がっている膜状の組織です。

体の表面を覆うように全身に張り巡らされており、皮膚と、その内側にある筋肉を包む膜(深筋膜)との間に存在しています。

この構造によって、皮膚は下の組織から独立して、ある程度自由に動くことができます。
指で皮膚をつまんで軽く動かしてみると、その動きやすさを実感できるかと思いますが、この「滑走性」こそが浅筋膜の重要な機能のひとつです。

浅筋膜には毛細血管やリンパ管、自由神経終末が豊富に分布しており、見た目以上に多くの役割を担っている組織です。

私は施術を行う際、体を一枚の皮膚で覆われた単純な構造としてではなく、何層もの膜が重なり合った「膜のレイヤー」として捉えています。

表皮、真皮、浅層脂肪層、浅筋膜、深層脂肪層、深筋膜、そしてその奥にある筋外膜まで、体の表面から深部にかけて膜は階層的に存在しています。

さらに内臓の周囲にも、臓側腹膜や壁側腹膜といった独自の膜の分類があり、体の中はあらゆる場所が膜によって区切られ、また繋がっているともいえます。

不調の原因となっているのが、これらのうちどの層の膜なのかは、見た目だけで判断できるものではありません。

問診で症状の経過を伺い、現在抱えている不調(現病歴)や、過去にかかった病気・怪我(既往歴)を整理し、日常での動作の特徴を確認したうえで、最後に実際に触診を行い、皮膚の動きや組織の硬さを一つひとつ確認していきます。

こうした情報を総合的に組み合わせることで、どの層の膜に問題が起きているのかを見極めていきます。

浅筋膜への着目も、この膜のレイヤー全体を診る視点の中で生まれているものです。

浅筋膜は、単に皮膚を支える組織ではなく、体の中の複数のシステムと深く関わっています。

皮膚-体温調節系

浅筋膜の中には血管網が豊富に走っており、皮膚の血流をコントロールする役割を担っています。

外気温や体内の状態に応じて血流量を調整することで、体温を一定に保とうとする仕組みの一部です。

この層の滑走性が低下すると、皮膚の症状が出現する要素になったり、血流の調整がうまくいかず、冷えや温度変化への対応のしづらさにつながることがあります。

関係する症状・疾患:皮膚炎、乾癬、湿疹、冷え性、体温調節不全など

脂肪-代謝系

浅筋膜の疎性層に含まれる脂肪小葉は、単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。

近年では、ホルモンのような物質を分泌する内分泌組織としての働きも知られています。

浅筋膜の滑走不全があると、この脂肪小葉周辺の環境にも影響が及び、代謝に関わる情報のやり取りが滞ってしまう可能性があります。

関係する症状・疾患:セルライト、肥満、痩せ、糖尿病、甲状腺機能低下症/亢進症など

リンパ-免疫系

浅筋膜の層には毛細リンパ管が走行しており、組織の中にたまった水分や老廃物を回収して運ぶ通路としての役割を持っています。

浅筋膜の滑走性が落ちると、このリンパの流れが物理的に妨げられ、老廃物の排出が滞りやすくなります。

これがむくみとして表れたり、免疫的な反応の遅れにつながったりすることがあります。

関係する症状・疾患:浮腫、リンパ系疾患、繰り返す感染症、自己免疫疾患など

ここで大切なのは、むくみ・冷え・代謝低下が必ずすべて同時に起こるわけではないという点です。

浅筋膜の滑走不全がどの部位に、どの程度生じているかによって、影響を受けやすいシステムは異なります。

たとえば、ふくらはぎ周辺の浅筋膜の滑走性が低下している場合は、リンパの流れが滞りやすく、むくみとして表れやすい傾向があります。
一方で、お腹や腰回りの浅筋膜に問題があると、血流調整への影響が出やすく、冷えとして自覚されることもあります。

このように、浅筋膜という一つの組織が部位や状態に応じて異なる形で不調として現れてくる、というのが実際の体の中で起きていることに近いと考えられます。

むくみに対してリンパマッサージを受けたり、冷えに対して温熱ケアを試したりした経験がある方も多いかと思います。

これらのケアは一時的に症状を和らげることはありますが、効果が長続きしないと感じることもあるのではないでしょうか。

その理由のひとつとして考えられるのが、リンパの流れや血流そのものに直接アプローチするケアだけでは、その流れを妨げている「滑走不全」という土台の部分には届きにくい、という点です。

浅筋膜の層がうまく動かない状態のままでは、一時的に流れを促しても、再び同じ状態に戻りやすくなってしまいます。

浅筋膜とは何ですか?

皮膚のすぐ下、脂肪組織の中にある膜状の組織です。
皮膚と深部の筋肉を包む膜との間に存在し、皮膚が滑らかに動くための層として働いています。

浅筋膜の不調はどうやって分かりますか?

ご自身でできる簡易的な方法として、皮膚を指でつまんで動かしてみる方法があります。
つまみにくさや動きの硬さを感じる場合、その部分の浅筋膜の滑走性が低下している可能性があります。

むくみと冷えは関係がありますか?

直接の関係というよりも、浅筋膜という共通の組織が、部位によってリンパの流れ(むくみ)や血流調整(冷え)それぞれに影響を与えうる、という関係性です。

浅筋膜への施術はどのようなものですか?

当院の筋膜へのアプローチでは、滑走性が低下している部位を評価し、その層に直接アプローチすることで、滑走性の回復を図ります。

むくみ・冷え・代謝低下といった不調は、それぞれ別の原因として捉えられがちですが、皮膚の下にある浅筋膜の状態が背景にある場合があります。

病院の検査で異常が見つからなくても、不調そのものには理由があることが多く、その視点のひとつとして浅筋膜という組織へのアプローチが役立つことがあります。

多治見市の「たじみ筋膜整体FLOW」では、国際資格である理学療法士として13年以上の臨床経験を持つ施術者が、筋膜へのアプローチを軸に、浅筋膜をはじめとした筋膜全体の状態を丁寧に評価しています。

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