なぜリンパマッサージでもむくみは戻るの?

「リンパマッサージに通っているのに、しばらくするとむくみが戻ってしまう」

「夕方になると足がパンパンになる状態が、何年も続いている」

「疲れが翌日に持ち越しやすくなった気がする」

こうした悩みを抱えてリンパマッサージやリンパドレナージを試した経験がある方も多いのではないでしょうか?

“施術を受けた直後は確かに楽になるものの、数日もすれば元の状態に戻ってしまう”
という状態を繰り返されている方もいらっしゃるかもしれません。

むくみや疲労感が改善しにくい背景には、リンパの流れそのものとは別に、そのリンパ管の周囲を取り巻く「浅筋膜」の状態が関わっている可能性があります。

目次

リンパの流れとむくみ(一般的な理解)

リンパ管は、組織の中にたまった余分な水分や老廃物を回収して運ぶ、体の排水システムです。心臓のように強いポンプを持たないリンパ管は、筋肉の動きや呼吸、皮膚の動きなどによって生じる圧力変化を利用して、ゆっくりとリンパ液を流しています。

このリンパの流れが滞ると、組織に余分な水分がたまり、むくみとして表れます。老廃物の排出が遅れることで、疲労感や体の重さとして自覚されることもあります。リンパドレナージやマッサージは、このリンパの流れを手技によって促すことで、一時的にむくみを改善しようとするアプローチです。

リンパの流れだけでは説明できない"むくみ"がある

リンパドレナージは一定の効果がある一方で、繰り返し施術を受けても効果が続かない、というケースも少なくありません。その理由のひとつとして考えられるのが、リンパの流れを妨げている原因が「流れそのもの」ではなく、リンパ管を取り巻く組織の状態にある場合です。

リンパ管の流れをいくら促しても、その通路を包んでいる組織が硬く滑走不全の状態にあると、根本的な環境が変わらないまま一時的な改善にとどまりやすくなります。この「通路を包む組織」として重要なのが、浅筋膜です。

浅筋膜とリンパ管の関係

浅筋膜は皮膚のすぐ下に広がる膜状の組織ですが、この層の中には毛細リンパ管が豊富に走行しています。リンパ管は浅筋膜の疎性層(やわらかい層)の中に埋め込まれるように存在しており、周囲の組織の動きと連動してリンパ液を流す仕組みになっています。

つまり、浅筋膜の滑走性が保たれていることが、リンパ管が正常に機能するための土台のひとつになっているといえます。皮膚を動かしたときの組織の滑らかな動きが、リンパ管への適切な圧力変化を生み出し、リンパ液の流れを助けているのです。

浅筋膜の滑走不全がリンパ-免疫系に与える影響

浅筋膜が硬くなると、その中を走るリンパ管が圧迫されたり、周囲の動きに追従できなくなったりする可能性があります。
これにより、リンパ管を流れるリンパ液の流れが妨げられ、組織に水分や老廃物がたまりやすくなります。

また、リンパ管はリンパ球などの免疫細胞を運ぶ経路でもあります。
リンパの流れが滞ることで、免疫細胞の循環や老廃物・異物の排除が遅れ、疲れが抜けにくくなったり、体の回復力が落ちた気がするといった感覚につながることがあります。

こうした免疫的な側面も、浅筋膜のリンパ-免疫系への影響として捉えることができます。

むくみが特定の部位だけに繰り返し出る、左右差がある、といった場合は、その部位の浅筋膜の滑走不全が関与している可能性を考慮する価値があります。

リンパ-免疫系へのアプローチ

当院の筋膜へのアプローチでは、リンパ-免疫系に関わる内部障害へのアプローチとして、むくみや疲労感が生じている部位のリンパ管を取り巻く浅筋膜の滑走性を評価し、滑走不全が生じている部位に直接アプローチします。

施術にあたっては、むくみの出やすい部位や時間帯、症状の経過(現病歴)、過去の病気や手術・怪我(既往歴)を問診で丁寧に整理します。

その上で触診によって皮膚の動きや組織の硬さを確認し、どの部位の浅筋膜にアプローチが必要かを総合的に判断します。

リンパの流れを促すだけでなく、その流れを支える組織の環境を整えるという視点が、リンパドレナージとは異なる点です。

FAQ

リンパマッサージと筋膜へのアプローチはどう違いますか?

リンパマッサージはリンパの流れそのものを手技で促すアプローチです。
当院の筋膜へのアプローチでは、リンパ管を取り巻く浅筋膜の滑走性に着目し、流れを妨げている組織の環境を整えることを目的としています。

むくみが繰り返す場合、浅筋膜が原因ですか?

必ずしもそうとは限りませんが、リンパドレナージや生活習慣の改善で効果が続かない場合、浅筋膜の滑走不全を評価する価値はあります。

疲れが抜けないことと、むくみは関係がありますか?

浅筋膜の滑走不全によってリンパの流れが滞ると、老廃物の排出が遅れ、疲労感として自覚されることがあります。
むくみと疲労感が同時に出やすい方は、浅筋膜の状態が背景にある可能性があります。

むくみへの施術はどの部位に行いますか?

むくみが出ている部位だけでなく、問診と触診の評価をもとに、浅筋膜の状態が良くない部位を特定した上でアプローチします。
症状が出ている場所と、施術が必要な部位が一致しないこともあります。

まとめ

むくみや疲れが抜けにくいという不調に対して、リンパの流れを促すケアを繰り返しても改善が続かない場合、リンパ管を取り巻く浅筋膜の滑走不全が背景にある可能性があります。

流れそのものを促すだけでなく、その流れを支える組織の環境を整えるという視点が、改善への新たな一歩になることがあります。

むくみや疲れが抜けず長年の不調にお悩みの方は、ご相談ください。

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