変形性股関節症とは?症状・原因・改善へのアプローチを解説

こんにちは。
岐阜県多治見市の筋膜専門整体院
「たじみ筋膜整体 FLOW」の理学療法士、藤井 祐輔です。
歩き始めや長時間歩いたあとに股関節の奥がズキッと痛む、動かすたびに引っかかるような違和感がある——そんなお悩みを抱えている方も当院には多くお越しになります。

股関節の痛みでお悩みの方によく見られるのが「変形性股関節症」です。
加齢や骨格的な要因が注目されがちですが、実は股関節まわりの「筋膜」の状態も、痛みや動かしにくさに深く関わっています。
今回は、股関節疾患の中でも代表的な「変形性股関節症」について、筋膜との関係性を交えながら詳しく解説していきます。
変形性股関節症とは
変形性股関節症とは、股関節のクッションの役割を果たす軟骨が、加齢や負担の蓄積によって少しずつすり減っていく疾患です。
軟骨がすり減ると関節のすき間が狭くなり、衝撃を十分に吸収できなくなります。
その結果、骨自体が硬く変化したり(骨硬化)、骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲ状の変化が生じたりするほか、すり減った軟骨の破片や関節の炎症によって滑膜に炎症が起こることも、痛みの要因となります。

進行すると軟骨がほとんど失われ、骨同士が非常に近い状態で動くようになるため、可動時の痛みや引っかかり感、動かしにくさが強くなっていきます。
股関節は体重を支えながら歩行・立ち座り・階段昇降など、日常のあらゆる動作に関わる大きな関節です。そのため、軟骨のすり減りが進行すると、日常生活のさまざまな場面で支障が出てきます。
日本人の場合、生まれつき股関節の骨盤側の受け皿(臼蓋)が浅い「臼蓋形成不全」を背景に発症するケースが多い(約7割とも言われている)のが特徴です。特に40代以降の女性に多くみられます。
変形性股関節症の主な症状
進行度によって症状の現れ方が異なります。

初期
歩き始めや立ち上がりの際に股関節がズキッと痛む
長時間歩くと股関節の付け根が重だるくなる
靴下を履く、しゃがむ動作がしにくい
進行期
安静にしていても痛みが出る
股関節の可動域が狭くなり、あぐらや正座がしづらくなる
歩幅が狭くなり、脚を引きずるような歩き方になる
末期
就寝中も痛みで目が覚める
股関節の変形が進み、脚の長さに左右差が出ることがある
痛みは股関節そのものだけでなく、お尻・太もも・膝周辺に感じる方も少なくありません。
変形性股関節症が起こる原因
主な原因として、以下が挙げられます。
- 臼蓋形成不全:生まれつき骨盤側の受け皿が浅く、股関節への負担が集中しやすい
- 加齢による軟骨のすり減り:軟骨は年齢とともに水分量が減り、弾力性が低下する
- 体重や姿勢による負荷の偏り:反り腰や骨盤の傾きがあると、股関節の一部分に負担が集中しやすくなる
- 周辺の筋肉・筋膜の硬さによる関節への負担:股関節を支える筋肉や筋膜の動きが悪くなると、関節が正しい位置で動きにくくなり、特定の部分への負担が増える
レントゲンで軟骨のすり減りが軽度でも、周囲の筋肉や筋膜の硬さによって股関節の動きに偏りが生じ、強い痛みを感じるケースもあります。
病院での一般的な治療法
変形性股関節症の治療は、進行度に応じて選択されます。
保存療法
消炎鎮痛剤や湿布による痛みのコントロール
筋力トレーニングによる股関節周囲の安定化
体重管理
杖や装具の使用
手術療法
骨切り術(自分の骨を活かす手術)
人工股関節置換術(変形が進行した場合に検討される)
初期〜中期の段階では、保存療法を中心に経過をみることが一般的です。手術に至る前に、できることから取り組みたいと考える方も多くいらっしゃいます。
筋膜からみる変形性股関節症へのアプローチ
まず代表的な論文を一つご紹介します。
変形性股関節症の患者の筋膜そのものに、どのような変化が起きているかを調べた代表的な論文に、「Fascia Lata Alterations in Hip Osteoarthritis(変形性股関節症における大腿筋膜の変性)」(2021年) があります。
この研究では、人工股関節置換術(THA)を受けた股関節OA患者の大腿筋膜(太ももや股関節外側を覆う厚い筋膜)を採取し、健常者の筋膜と比較・分析しました。
その結果、股関節の軟骨がすり減るだけでなく、「周りを取り囲む筋膜の滑走不全(滑りの悪さ)と硬化」が、変形性股関節症に特有の強い痛みや関節のこわばり(可動域制限)をさらに悪化させている要因と指摘されています。
股関節は隣接する骨盤・腰椎・膝関節と筋膜でつながって連動しています。
また、下肢の支点の役割も担っています。同じように、上半身では肩甲骨が上肢の支点となっています。

そのため、股関節そのものだけでなく、周辺部位の筋膜の状態が可動域や痛みに影響することがあります。
例えば、以下のような筋膜の硬さが股関節の負担につながるケースがあります。
- 不調がある側と反対側の肩甲帯:通称「ミラー関節」といいます。筋の走行の関係や、中枢神経系からの出力が交互性に行われるため、反対側の肩甲帯にも互いに影響が出ることがあります
- 下腿の筋膜の硬さ:地面からの反力を伝える役割の “下肢末端” が硬くなると感覚入力が正しく行われないため、股関節に不調が出ることがあります
- お尻から太もも外側にかけての筋膜の硬さ:歩行時の骨盤の安定性が低下し、股関節に偏った負荷がかかります
- 体幹〜骨盤の前面や後面の筋膜の連動不全:体重を支える際の力の分散がうまくいかず、股関節に負担が集中します
筋膜整体では、股関節周辺だけでなく全身の筋膜のつながりを評価し、動きの偏りを整えることで、股関節への負担を軽減するアプローチを行います。
日常生活で気をつけたいポイント

- 長時間の同じ姿勢(立ちっぱなし・座りっぱなし)を避け、こまめに動く
- 正座やあぐらなど、股関節を深く曲げる姿勢を長時間続けない
- 体重が急激に増えないよう食事バランスに気をつける
- 痛みが強いときは無理に動かさず、まずは安静にする
セルフケアだけで改善が難しい場合は、専門家による評価を受けることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
- 変形性股関節症は自然に治りますか?
-
すり減った軟骨が自然に元通りになることはありません。
ただし、周囲の筋肉や筋膜のバランスを整えることで、痛みの軽減や進行の緩和につながります。 - レントゲンで異常が軽度でも痛みが強いのはなぜですか?
-
画像上の変形の程度と痛みの強さは必ずしも一致はしません。
周囲の筋肉や筋膜の硬さによって関節の動きに偏りが生じ、痛みが強く出ることがあります。 - 運動はしても大丈夫ですか?
-
痛みの程度に応じた適切な運動は、股関節周囲の筋力維持や可動域の確保に役立ちます。
「やらなさすぎ」と「やりすぎ」の中間を目標に。
自己判断が難しい場合は、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。 - 何科を受診すればよいですか?
-
まずは整形外科でレントゲンなどの検査を受けることをおすすめします。
並行して、筋肉や筋膜の状態を整える施術を取り入れる方もいらっしゃいます。
まとめ
変形性股関節症は、軟骨のすり減りだけでなく、周囲の筋肉や筋膜の硬さが痛みや動きにくさに関わっていることがあります。
股関節そのものへのケアに加え、骨盤・腰・太ももを含めた全身の筋膜のつながりを整えることで、負担の軽減につながる可能性があります。
岐阜県多治見市の「たじみ筋膜整体FLOW」では、国家資格「理学療法士」保有者が全身の筋膜のつながりから股関節の状態を評価し、お一人おひとりに合わせた施術をご提案しています。
股関節の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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